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桜木染めのストール

桜木染めのストール

パーマリンク 2009/08/20 22:02:59 著者: 安田 江里子
カテゴリ: 9.日々のこと

先日、高校時代の友人と久しぶりに会いました♪

そこで偶然、桜木染めの小物を売っているお店に出会いました。


「なんだかとても優しいピンク色をしたものばかり売っている店だな~」

と思って見ていたら、これまた美しい女性の店員さんが出てこられて、

「これらはすべて桜の木で染めたものばかりなんですよ」
と教えてくださいました。

そうしましたら一緒に歩いていた友人が
「嬉しい!一度見てみたかったの!」
と急に大興奮です!

中学校で国語教師をしているその友人によれば、
中学の国語の教科書に「言葉と桜木染めの話」が出てくるのだそうです。

以下、引用です↓↓↓


「言葉の力」 大岡 信

 人はよく美しい言葉、正しい言葉について語る。
しかし、私たちが用いる言葉のどれをとってみても、
単独にそれだけで美しいと決まっている言葉、正しいと決まっている言葉はない。

ある人があるとき発した言葉がどんなに美しかったとしても、
別の人がそれを用いたとき同じように美しいとは限らない。

それは、言葉というものの本質が、口先だけのもの、
語彙だけのものだはなくて、
それを発している人間全体の世界を
いやおうなしに背負ってしまうところにあるからである。

人間全体が、ささやかな言葉の一つ一つに反映してしまうからである。

 京都の嵯峨に住む染織家志村ふくみさんの仕事場で話していたおり、
志村さんがなんとも美しい桜色に染まった糸で織った着物を見せてくれた。
そのピンクは淡いようでいて、しかも燃えるような強さを内に秘め、
はなやかで、しかも深く落ち着いている色だった。
その美しさは目と心を吸い込むように感じられた。

「この色は何から取り出したんですか」
「桜からです」

と志村さんは答えた。

素人の気安さで、私はすぐに桜の花びらを煮詰めて
色を取り出したものだろうと思った。
実際はこれは桜の皮から取り出した色なのだった。
あの黒っぽいごつごつした桜の皮から
この美しいピンクの色が取れるのだという。
志村さんは続いてこう教えてくれた。

この桜色は一年中どの季節でもとれるわけではない。
桜の花が咲く直前のころ、山の桜の皮をもらってきて染めると、
こんな上気したような、えもいわれぬ色が取り出せるのだ、と。

 私はその話を聞いて、体が一瞬ゆらぐような不思議な感じにおそわれた。
春先、間もなく花となって咲き出でようとしている桜の木が、
花びらだけでなく、木全体で懸命になって最上のピンクの色になろうとしている姿が、
私の脳裡にゆらめいたからである。

花びらのピンクは幹のピンクであり、樹皮のピンクであり、樹液のピンクであった。
桜は全身で春のピンクに色づいていて、花びらはいわばそれらのピンクが、
ほんの先端だけ姿を出したものにすぎなかった。

 考えてみればこれはまさにそのとおりで、
木全体の一刻も休むことのない活動の精髄が、
春という時節に桜の花びらという一つの現象になるにすぎないのだった。

しかしわれわれの限られた視野の中では、桜の花びらに現れ出たピンクしか見えない。
たまたま志村さんのような人がそれを樹木全身の色として見せてくれると、はっと驚く。


 このように見てくれば、これは言葉の世界での出来事と同じことではないかという気がする。
言葉の一語一語は桜の花びら一枚一枚だといっていい。
一見したところぜんぜん別の色をしているが、
しかし、本当は全身でその花びらの色を生み出している大きな幹、
それを、その一語一語の花びらが背後に背負っているのである。

そういうことを念頭におきながら、言葉というものを考える必要があるのではなかろうか。
そういう態度をもって言葉の中で生きていこうとするとき、
一語一語のささやかな言葉の、ささやかさそのものの大きな意味が実感されてくるのではなかろうか。
美しい言葉、正しい言葉というものも、そのときはじめて私たちの身近なものになるだろう。

(中学校『国語2』、光村図書出版)


この話を友人から聞いて、まさにそれを自分と重ね合わせて考えました。

研修でどんなに素晴らしいことを言っても、
大岡さんのおっしゃる通り、

”それを発している人間全体の世界を
いやおうなしに背負ってしまう”

ものでしょうから、日ごろの自分自身が恥ずかしくない自分でなければ。。。

桜の木が全体で美しいピンクの花を咲かせるように、
私自身も内面から湧き出てくる優しさがないと、
どんなに理想的で美しいことを言っても、
言葉だけでは誰も信用してくれないのだろうな、と
改めて身が引き締まる思いでした。

それにしても中学の教科書にこんな素晴らしい話が載っていたとは。。。
大人になってから教えられることがたくさんあります。

教えてくれた友人に感謝です!

そして、あまりにも優しい色の素敵なストールだったので購入してしまいました!

クーラーに弱い私には強い味方になりそうです♪

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